株式会社丸和 尾形長治さん

創業110年。
従業員の幸せを通してまちを良くする

尾形長治さん

尾形長治さん

39歳
株式会社丸和
宮城県気仙沼市出身、東京から移住(Uターン)、移住16年目

01. インタビュー動画

02. 1912年創業、地域の課題を解決する会社

まずはお名前、年齢、御所属を教えてください。

尾形長治、39歳、株式会社丸和の代表取締役社長を務めております。
気仙沼出身で大学は関東の方に行きまして、1年間東京で勤めて、会社の事情があって気仙沼に
戻ってきましてもう16年近くになります。

気仙沼に帰ってこられたのは震災前だったんですね。

そうですね。丸和は代々、父の家系で経営している会社だったんですけれども、事情が色々あり
まして「どうしても帰ってきてほしい」という話で、1年で東京の会社を辞めて戻ってきました。

改めて丸和の事業、地域のなかで担っている役割を教えてください。

弊社は現在、石油商品やプロパンガスの供給を、各家庭や工場、飲食店等に供給しているエネルギー事業関連、また、ガソリンスタンドを中心とした車のメンテナンス全般を請け負うことも取り組んでおりますし、まったく違うジャンルとしてボウリング場の経営など、地域の中で楽しむ場、コミュニティが生まれる場という、地域を楽しませるような業務をおこなっております。もともとは創業が今から110年前の1912年で、漁業からスタートした会社なんですけれども、時代の移り変わりと共に業態を変えながら、絶えず地域にとって何か良いことを起こせる会社、地域の課題を解決する会社ということで、様々業態を変えながら今に至っています。

いま従業員の方は何名いらっしゃるんですか?

いま現在だと65名です。地元の方が中心ではありますけれど、結婚して気仙沼に来たのでという方もいらっしゃいますし、構成としては大部分は気仙沼の人で、勤めている年数が長い方が多い会社ですね。

03. 会社に一番大切なのは従業員の幸せ

新規採用に関して何か取り組まれていることはありますか?

実は私が昨年社長に就任しまして、それまで感じていた会社の中の課題改善の取り組みを始めました。それと同時に採用も強化していこうというところで、昨年からインターンの実施、また今年は企業説明会への参加など、会社の中を改善すると同時に、採用活動の強化もこれからはじめて、どんどん若い、力強い方を社内の活性化のためにぜひ採用していきたいなと考えています。
インターンは昨年の夏から開始しました。私が社長になってから始めようと思っていたので始めたのですけれども、今後新しい方に弊社で働いていただくためには、どれだけ(経営者自身の)想いを伝える場があるかどうか、と思っています。ホームページ等を見ればある程度の会社の内容や雰囲気などが伝わるところはあるかもしれないですけど、私自身の想いを、面と向かって知っていただきたいということもありましたし、働いている方の想いや働き方を間近で感じていただきたいと。必ずや何か伝わるものがあるのではないかと考えていまして、インターンの取り組みを始めようと思いました。内容としては、実際に現場に立っていただくことも考えていますけれども、メインとしては働いている方と触れ合う時間をとにかく作っていきたいと思っていました。1日のプログラムに関しては午前か午後どちらかは常に私と行動を共にしまして、経営者がどのような仕事を行っているのかというところもそうなのですが、どのような想いで経営をしているのかということをとにかく間近で感じていただきたいと。そのなかで必ずや何か伝わるものがあるのではないかと思ったので、インターンを開始しました。

インターンに参加された方の感想としてはいかがでしたか?

昨年は大学生が1名参加していただいたのですけれども、「経営者がこれほどまでに地域のことを考えているのか」とか、「今まで自分のなかでは思い付かないような考え方を聞けてとても新鮮な経験になりました」ということと、「これから働くにあたって、自分がどういう考えをもって大学生活を歩んでいけばいいのかという一つの指標ができた」ということを、感想としてメールをいただけたのが嬉しかったです。私自身と話す時間を作っていくというのは、私自身も新しい考えを学ぶ場にもなりますし、これから務めるであろう皆様にとっても何かしら一つは持ち帰っていただく経験になるのではないかなと感じていますので、今後も積極的にインターンには取り組んでいきたいと考えています。

社員向けの勉強会なども行なっていると伺いました。

会社は人が構成しているものですから、やはり人の力を高めていくというところが企業にとっては一番大事なことだと考えています。昨年から様々な人材育成のセミナー、講習を行い、社員の皆さんに私が必要だなと思うものを、私が良いなと思う講師の方を会社にお呼びして、様々な研修や講習を行なっています。逆に社員の方から、どういう研修や講習、体験をしてみたいかという聞き取りまして、出た意見を取り入れて実施しています。これからはやはり人材育成が企業にとってはかなり大きな鍵になってくる部分だと思っていますので、そちらには惜しみなく投資していきたいと考えております。

尾形社長が社内においてチャレンジしていきたいことは何でしょうか。

会社は従業員の幸せがあるべきだなと私は思っているので、どれだけ「この会社に勤めていて良かったな」とか、「毎日会社に行くのが楽しみだな」と思ってもらえる会社にできるかというところが経営者の役割かなと。そして、従業員の幸せを考えつつ、(社内が)どれだけ力を発揮できる環境か、どれだけ自分ひとりひとりの意見を会社が活かしていけるかという会社運営が問われてくると思っていますので、常に積極的にチャレンジできる場、自己実現をできる場というのを、会社の中で実現したいなと考えています。

丸和として従業員の方に求めていることは何でしょうか?

やはり「何かを良くしたい」と思っている方、それは自分自身を高めていきたいという自己成長であったり、地域を良くしたいという地域を想う心、また、人を喜ばせたい、誰かを喜ばせたい、そういう想いのある方と一緒にやっていきたいなと思っています。私自身もとにかく周りの方、それは従業員、お客様含めて、すべての関わる人を喜ばせたいと思っていますので、そういった気持ちを持っている方とぜひ一緒にやりたいと思っています。
また私自身、様々な新規事業も含めて新たなチャレンジをどんどんしていきたいと思っていますので、何かにチャレンジしたいというチャレンジ精神を持っている方。弊社は一人一人の考えをとにかく活かした会社運営を心がけていますので、入社間もない方の意見を採用することもたくさんありますし、そういった意味ではこれからどんどん、様々な地域にとって良いこと、自分達にとっても面白いことをやっていきたいというような方と、私は一緒に仕事をしていきたいなと思っております。

04. 地域の人と人との輪を
つくれるような会社でありたい

気仙沼市内の経営者同士のコミュニティや協業などはありますか?

気仙沼って私もそれが普通だと思っていたので気が付かなかったことがありまして、地域の中で、同業であっても困ったときには助け合うような関係性が、私の関わっている業界では起こっていることでして。それが当たり前だと思っていたので、逆に私が外の地域に出て、色んなお話を聞くと、「同業でそんなに仲良くやってるのなんて有り得ないよ」なんて言われるくらい、気仙沼ってそういう特殊な場所だったんだなって感じています。いま色んな企画を、これから同業もそうですし、同業じゃない方も、社内の人材育成の取り組みを一緒にやりましょうとか、人材の企業間シェアリングといった話も出ております。突発的に困ったことがあったときに、同業者同士で助け合えるという関係性もありまして、「皆で地域を良くするんだ」とか「お客様を少しでも喜ばせるんだ」というところが、企業の枠組みを超えて手を取り合う姿勢があります。それでいてしっかりとライバル関係で、お互いを高め合うことも忘れずにという、とても良い関係がこの気仙沼の中にはあるんじゃないかなと感じています。

そういう部分も含め、尾形さんの思う気仙沼の良いところはどういうところでしょうか。

私が気仙沼で良いと思うところは「人」に尽きるかなと思っています。会社の中でもそうですが、やはりいま、経営者が1人で会社を良くすることはできない、従業員みんなの力を合わせる。気仙沼を良くするという大きな観点で見ても、ひとつの企業で良いこともできると思うんですけど、より効果を高めていったり、多くの方々に想いが伝わるには、皆と手を取り合わなきゃいけないなと。最終的に自分達だけではなく、この地域の人たち全ての人が幸せになってほしいという想いを持っている方が、このまちにはものすごく多いと思っています。そういう意味で、人の繋がりというのはプライベートだけではなく企業間でもあるという特殊性が、このまちの魅力のひとつだなと感じています。

逆にまちに対して感じている課題感は何かありますか?

気仙沼全体の課題感として私が感じているのは、地域を想う方々はたくさんいると思っていますけど、まだ経営者の方が中心だったりする面が強いのかなということも思っています。気仙沼は人口がいま6万人くらいいますけれども、極論、全ての人が地域のことを思って行動できるようになれば、ものすごく良いまちになるんじゃないかなと思っています。私も気を付けているんですけど、なるべく地域で手に入るものは地域内で買う。地域内で買い物をするということを心がけています。やはりインターネットなどを使えば安く手に入ることもありますが、地域の人の顔を見て、人とのつながりで買うというところを大事にしていきたいなと。皆が少しでも、「地域の中で買い物をしよう」という行動が6万人分生まれれば、経済効果も含めてものすごいインパクトが起きてくると思いますので、そういった方々をどんどんと増やして、地域のなかでお金が循環し、それが皆の幸せに繋がるんだよというところを、経営者の我々が一番実践していかなきゃいけないと思うんですけれど。こういった考えの方を広めていければ、地方といえども、素晴らしい地域がそこには出来上がるんじゃないかなと感じています。

事業以外で、地域のために取り組んでいることは何かありますでしょうか。

とにかくこの地域を良くしたいという想いが強いので、現在様々なまちづくりに関わっています。そのなかで、これからの未来を考えたときに、どれだけいまから育つ子どもたち、これから生まれてくる子どもたちの観点でどれだけ良いまちを残せるかという想いで、いま、子育て支援にも積極的に取り組んでいるところです。地域の中には様々な子育て団体等ありますけれども、一つだけでは解決できない大きな課題のなかで、それぞれが自分達の得意分野を埋め合うようなかたちで活動している団体が数多くあります。物・心両面での支援を私自身心掛けていまして、とにかく自分がやれないことを補う形でやってくれている団体をできるだけ支援したいなというところで、色んな取り組みに私も参加させていただいたり、様々な支援をさせていただいているところでした。会社の中でも子育て世代が勤めやすい環境を同時に取り入れていきたいなというのを、そこでの活動を通してすごく感じて、今後取り入れていきたいと思っている分野です。

今後丸和の事業を通して、地域の中でどういう役割を担っていきたいと考えてらっしゃいますか?

想いとしては、もともと持っている「地域を良くする会社でありたい」、「地域の人と人との輪をつくれるような会社でありたい」と考えています。具体的に挙げ出すとキリがないですが、いまの事業だけに留まっているつもりもないですし、様々なチャレンジを今後していきたいなと。新規事業の立ち上げや新たなサービスの創出というかたちで仕事面でもチャレンジをしていきたいと考えています。やはりどれだけお客様、この気仙沼に住んでいる方々が、気仙沼という地のなかで幸せを感じて豊かに生活できるか、人と人とのつながりで楽しく生活できるかというところを常に考えていますので、それを皆の力と智慧を合わせて、様々なサービスを生み出している最中でございます。また気仙沼市内の人のみならず、地域外の人も気仙沼に来るきっかけとなるようなサービス、事業も始めたいと考えていますし、やはり私はこのまちが大好きなので、このまちから外にも発信できる、このまちに住まう人たちも幸せに生活できるという未来を目指して、様々な取り組みをこれからも続けていきたいなと感じています。

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