横田屋本店 猪狩伸忠さん

人との関わりが深いまちで
暮らすということ

猪狩伸忠さん

猪狩伸忠さん

30歳
横田屋本店
宮城県気仙沼市出身、大阪から移住(Uターン)、移住2年目

01. インタビュー動画

02. 創業315年、歴史ある家業を引き継ぐために

まずはお名前、年齢、御所属を教えてください。

猪狩伸忠です。今年で30歳になります。気仙沼市の出身です。いまは家業の「横田屋本店」で働いていまして、海苔の仕入れでしたり、珍味の開発などを主に行なっています。
昨年までは大阪に住んでいました。2020年10月にUターンしてきて、2年目になります。

家業がありつつ他の地域で働いていたとのことですが、気仙沼に帰ってくるまでの経緯を教えてください。

大学を卒業して、東京に3年、大阪に1年住んでいました。将来的には戻ってくる予定でしたが、具体的にいつ頃というのは決めていませんでした。
ですが今年30歳になるということもあり、家業で行なっている海苔の仕入れは「目利き」が重要な仕事なんですね。その技術を身につけるのにもなかなか時間がかかりますので、そろそろ帰ったほうがいいなと思い、戻ってきました。

地元とは言え、いざ仕事を変えたり移住をするとなると様々な不安もあったと思います。当時感じていた不安や悩みなどはありましたか?

これまではサラリーマンとして働いていましたが、家の仕事を継ぐということで、プレッシャーは今でも感じています。

いまの具体的なお仕事の内容を教えてください。

シーズンごとに業務内容は変わりまして、海苔の仕入れは冬から春にかけて行われます。その時期は日本全国を回って海苔の買い付けを行なっています。春先になると三陸のわかめのシーズンになるので、そちらも入札へ行き、自分で値段をつけて買い付けてくるという業務をしています。夏は雲丹のシーズンで、雲丹を仕入れて数を確保して販売しています。

横田屋本店は創業からどのくらいの会社ですか?

今年で創業315年になります。今から150年ほど前に海苔養殖の技術を江戸から気仙沼に持ってきて、宮城で海苔の養殖を始めた元祖の会社と言われています。

03. 働く、住む、遊ぶが密接な気仙沼

実際にUターンをしてきて良かったなと思うことはありますか?

気仙沼を出たのは高校卒業のタイミングだったのですが、その頃は「遊ぶところがない」と思っていて、早くまちを出たいなという気持ちが大きかったです。大阪時代はいちサラリーマンとして日々の仕事をこなすという感じでしたが、いま戻ってきてみると、働く場所と住む場所、遊ぶ場所が近くて、とても充実感があります。
仕事のほかにもまちづくりの活動に参加していて、地元の人たちと「このまちをどう楽しくしていこうか?」という話をして、地域を盛り上げていこうと頑張っています。

逆に大変だなと感じることはありますか?

良くも悪くも人付き合いが多いなとは思います(笑)。
ただ、色んな人に可愛がってもらえて、飲みに連れて行ってもらったり一緒に遊びにいったりもして、充実しています。

気仙沼に帰ってくるときに、住む場所などの検討はしましたか?

気仙沼に戻ってくる時は「気仙沼市移住・定住センターMINATO」にも行きました。
実家に住むのではなく「空き家バンク」で物件を探し、いまはそこに住んでいます。大家さんとの手続きもスムーズでしたし、リフォームの補助金などもご案内いただいて、初期の費用もだいぶ抑えることができて助かりました。

04. 良い意味で「おせっかい」なまち

気仙沼というまちでの生活を楽しむにあたって、どんなタイプの方がフィットすると思いますか?

気仙沼は良い意味でおせっかいな人が多いまちだと思うんです。前に働いていた大阪時代に比べて、いまは深い人付き合いができています。人と話すのが好きな人は、気仙沼での生活はすごく楽しめると思います。

気仙沼というまちを語る上でどうしても外せないのが、東日本大震災の被害を受けたまちというところがあります。震災から10年、気仙沼でどんなことを感じていらっしゃいますか?

この10年で、まちの景色はかなり変わりました。横田屋本店としても震災から10年間、色んな方に支えられて何とかやってこれたと思っています。今後、この地域の良いもの、美味しいものをお届けするということを通して、色んな方に恩返しをしていければと思っています。

05. つながりによって充実感がある気仙沼

気仙沼というまちで暮らす、働く、とは猪狩さんにとってどういうことですか?

気仙沼に戻ってくるまでは、働くは働く、生活は生活として分けて考えていましたが、それが気仙沼だと全てが繋がっているというか。とても密接にそれぞれが関係しているまちだなと思います。
仕事でも暮らしでも充実感があるまちです。実は来年度、横田屋本店にも、東京に住んでいた方がIターンで移住をし、働いてくださることが決まっています。
その方は単身での移住ではなく、家族のみなさんで気仙沼市に移住してくれるんです。気仙沼市では移住に対する補助金もあるようで、移住しやすい環境なのかなと思います。私自身も、横田屋本店として地域の美味しいものをどんどん発信していきつつ、地域の人々と一緒にこのまちを盛り上げていきたいと思っています。

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